昭和三〇年代の高度成長は消費ブームの到来を告げた。大量生産、大量消費の消費革命は白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫という三種の神器を生み出し、三〇年代後半にはそれまでの三種の神器から、カラーテレビ、カー、クーラーの三Cに変わる。一方、経済の急激な高度成長は物価高騰、公害問題など様々な社会問題まで発生させた。東京オリンピックの開催、東京・大阪間の新幹線の開通など、華やかな経済活動の裏側には激しい物価高騰が待ち受けており、こうした社会問題の発生は、その後の市民運動の高まりに結びついていくこととなり、消費者運動、住民運動、学生運動など既存の社会抗議の枠組みを越えた新しいスタイルの運動に発展する。消費者運動は、インフレによる物価間題を取り上げしゃもじを片手に大規模集会の開催、物価安定の陳情などの行動を起こし、物価引き下げのシュプレヒコールを繰り返すとともに、自らが低価格商品の開発・販売にも立ち上がった。アメリカの消費者運動は、主婦を中心に立ち上がっても、ラルフ・ネーダーのような市民団体を動かすリーダーとともに、政府や行政を動かし社会問題として発展する。しかし、日本における消費者運動は、戦後の主婦連のスタートといわれた「燃えないマッチを持ちよる会」の消費者運動が、燃えないマッチを主婦が持ち寄り業者に抗議したように一貫して主婦の活動が中心となり、その点がアメリカ型と相違するところである。ところが、この時の消費者運動はこれまでとは異なる展開がなされた。化粧品業界にも消費者運動の影響があらわれてくることとなるが、その一つに、四三年に全国地域婦人団体連絡協議会(地婦連)が発売した一〇〇円化粧品「ちふれ」に代表されるように、消費者運動の主体が資金源をもったのである。
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