結婚に対する考え方がどんどんシンプルになり、結婚式や披露宴、ハネムーンを省いていっても、どうしてもはずせないのが、指輪の存在ではないでしようか。婚約・結婚指輪の前身は、古代ギリジャーローマ時代より存在します。指輪を贈ることが結婚の証となっていたローマ帝国では、継ぎ目のない「輪」は、永遠不滅の愛の象徴として「生命の輪廻」と「永遠」のシンボルとされていたのです。しかし当時は、指輪はふたりの愛の形や記念品というロマンティックなものというより、婚約成立時の花嫁の代金支払いの証拠と契約の意味が強く、婚約を世間に公にするのが目的だったため、鉄製の質素な指輪でした。やがて紀元前2世紀頃から金製の指輪となります。中世になるとキリスト教の影響もあって、婚約指輪に加え、結婚するときに結婚指輪を交換する習慣も生まれました。それは、ハートや手と手を握り合わせたモチーフ付きなど、ふたりの愛情の結びつきを表すもの。次いで宝石付きの指輪なども誕生し、婚約指輪は女性の誕生石をあしらったものが一般的になります。西欧では古くから、宝石には聖なる力が宿っており、身に付けることで魔除けとなり幸福を得られると考えられていたためです。さらに、15世紀にキリスト教徒の間で、地上でもっとも硬い物質であるダイヤを、ふたりの固い愛の絆を象徴する石として贈っていた習慣から、中世後半になると、ダイヤモンド付きの指輪を贈るようになります。これが、現代の婚約指輪の主流となったのです。日本で指輪をはめる習慣が根付いたのは最近のことで、西欧文化が入ってきた明治以降からです。加えて1970年代に世界的なダイヤモンドメーカーであるデービアス社による、婚約指輪の大々的なプロモーションの結果、「婚約指輪は給料の3ヵ月分」で、立て爪のひとつ石のリングという意識が浸透していきました。ちなみに、婚約指輪も結婚指輪も、なぜ左手の薬指にするのでしょうか?それは、左手の薬指は心臓とダイレクトに血が通っており、その血管は親密な情操を表すと信じられてきたから。宝石は人の愛する気持ちを波動で伝えるパワーもあるといわれており、永遠の愛を誓う指輪をはめるのにふさわしいとして、左手の薬指が選ばれたそうです。