重要な役割を果たしたメディアは密着型

2011.04.07

ホートンとウォールは、ラジオやテレビの受け手が、番組の出演者に対して、あたかも家族や親しい友人かのような錯覚を抱かせ、一種の「擬似社会的相互作用」を引き起こすと指摘している。しかし、それはあくまで受け手の頭の中で幻想またはイメージとして擬似的、間接的に経験する行為であるにすぎない。れているが、それゆえに多くのリスクを内包する社会でもある。原子力、コンピュータ、複雑な機械などは、巨大なエネルギーを生み出し、大量で高速の生産、流通活動を支えているが、ひとたびシステムに狂いが生じると、巨大な災害や事故(人災)を発生させる可能性をも秘めている。まさに、現代はウルリヒ・ペックがいうように「リスク社会」なのである。したがって、こうした潜在的な巨大リスクに対処するには、平常時から緊急事態の発生を想定した社会情報システムを構築しておくことが必要になっている。社会情報システムは平和で安全な社会秩序が維持されている平常時と、戦争や犯罪や事故・災害など危機的状況に陥った緊急時とでは、当然異なった構造を示し、そこでの情報メディアも、平常時とは異なる役割を果たすようになる。このことを明確に示しだのが、1995年1月の阪神・淡路大震災であった。このとき、被災地域住民にとって最も重要な役割を果たしたメディアは、テレビよりもラジオ、新聞の地域版、ミニコミ、コミュニティFM、ケーブルテレビなど、より地域社会に密着したメディアであった。今や時の人となった企画会社オレンジ・アンド・パートナーズの役員を務める小山薫堂氏のデビュー番組は、深夜のエンターテイメント番組で大人気を博した『11PM』。現在は、山形の某デザイン大学の講師も務める。
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